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日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

カテゴリー「映画」の記事一覧

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息もできない

昨日の夜中に大人計画のサイトを久しぶりに見ていた。
私はクドカンのことが何げに好きで。
(あ、ユースケサンタマリアを好きなのは大前提ですが。笑)
このサイトに、「宮藤官九郎の小部屋の中の引出しの三段目の日記帖」という
長ったらしい名前(笑)の、日記形式のページがあって。
それを見てたら、どうもクドカンは、映画『息もできない』が好きらしい、
・・ということを、知った。


『息もできない』は韓国映画。
私も去年の5月頃に観た。
心斎橋のBIG STEPの中の映画館で。

『息もできない』を観た日のことを思い出すと、
それだけで暗澹とした気持ちになる。
この映画、すごかった。
帰りの御堂筋線の電車の中でずっと、
得体の知れない倦怠感と不安感に苛まれ、
しばらく誰とも話す気になれなかった。
心が疲れきってしまい、わけのわからない涙が溢れたりもした。


~簡単なあらすじ~
友人が経営する取り立て屋で働いているサンフン。
その容赦ない取り立てと暴力は時には仲間にも向けられ、怖れられていた。
ある日、サンフンの父が刑務所から出所。幼いころ、家庭内暴力が元で母と妹を死なせた父親。
その父をサンフンはただ殴りつける。
そんなサンフンが出会った女子高生のヨニは、サンフンの暴力的な態度にも怖がらない。
そんな彼女に、サンフンはどこか惹かれるものを感じる。そんな彼女の家庭も暴力を抱えていた・・・。

(詳細なあらすじはここを)


・・

たぶん、相当おもしろい映画なんやろうと思う。
キネマ旬報の2010年外国映画部門の1位にも選ばれてたし、
クドカンもDVDを買ったらしい。
私自身、もう一度観てみたい映画ではある。
ただ、観ながらずっと、ヒリヒリキリキリした。
観てて、すんごいしんどかった。
個人的には、しんどかった映画・ベストオブ2010。
紛れもなく。

ヤミ金で鬼の取り立てをする主人公のサンフン。
サンフンが鬼になった背景には、幼少時の父親の凄惨な家庭内暴力があった。
暴力が世代を超えて連鎖していくことの悲劇。
殴る、蹴る、殴る、蹴る・・・
「シーバルノム!(くそったれ!)」の連呼・・・。
サンフンは、ヨニとの出会いで人間らしさを徐々に取り戻していくも・・・
待っていたのはあまりにショッキングな結末。


私の苦手な何かがスクリーンいっぱいに溢れていて、
観たくない、聴きたくないと、
目と耳を塞ぎたくなるのを我慢して、我慢して、観た。
観た直後、ブログに感想を書こうかと思ったけど、
あまりに気持ちが沈んじゃってダメだった。
そんな映画。

何があんなにしんどかったのか。
たぶん、私は暴力が本質的に嫌いなのだ。
殴ったり、蹴ったり、口汚く罵ったり・・・。
それも俳優さんの演技にリアリティがありすぎて・・・
観てて真剣に吐き気がした。
暴力をただ傍観し続けるということが、あれほど苦痛なものとは思わなかった。
家庭内暴力。
それを目撃するだけでも、子どもの心には深い傷が残るという。
そのことを、この映画を観て、私は初めて少し理解したような気がした。
あの、生々しさ。
生々しい音・・・
内臓をえぐりとられるような、内に響き渡って、未来永劫残り続けるような、痛み。
それを映画にしてみせたこと、すごい。
私は映画のことも難しいことも全然わからない。
けど、そのことはすごいと思った。

・・

学生時代、児童養護施設で、虐待をうけた子どもたちへの
学習ボランティアをしていた。
子どもたちは時々、情緒不安定になって泣き出したり、
攻撃的になったりした。
「お前なんか死んだらええねん!」
吐き捨てるように言った小3の女の子。
あの子やこの子の姿が否応なくスクリーンに重なった。

観た直後、主人公を幸せに導かないこの映画に、心底憤りを覚えた。
吐き気がした。
観なかったら良かったとは決して思わないし、
観れて良かった。
でも、これをおもしろいと感じる感性は、残念ながら、私には無い。


おもしろい映画なんやろう。
でも、嫌い。
でも、また観てみたい。
そんな映画。




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いつか書きたいと思ってたから
書けて良かった。

『息もできない』
















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海炭市叙景

木曜の話。

さー今日から仕事復帰だ、と準備していたら
ふいに例の喘息的な咳が出現。
一瞬、躊躇・・・。
マスクをしているとはいえ、
もしもウイルスの残党が悪あがきをしているのだとしたら
さすがにそのまま職場に行くのはいかがなものか、と思い直し、
しばらく様子を見てから、とりあえず上司に電話で相談。
そしたらあっさり、休むことを命じられ・・・。
でも外の空気もいい加減吸いたかったし、行くつもりで準備もしていたので
とりあえずその足で十三の七芸に映画を観に行った。(・・・笑)


海炭市叙景』という映画を観た。

静かな、静かな映画。
雪が降り積もる寒い街、海炭市を舞台に、
そこで暮らす人たちの姿を映し出した物語。
なんとなく暗くて、なんとなく影を背負った人たちが出てくる。
海炭市は薄暗い街。
でもなんかこういう行き詰まった雰囲気というのは
割とどこにでもあるような気がしなくもなく・・・。
気づかないフリでは済まされない退廃的な空気。
重い、重い質感。
逃げたくても逃げられない。
そんなまとわりついてくるみたいな重み。
でもやっぱりどこにでもあるような、
どこかでこの気配を自分も嗅いだことのあるような、
そんな物語。



映画が終わって外に出たらそこは十三の歓楽街で、
風俗店の前でウロウロするおっちゃんの姿に
制服姿の女子高生に
100円自販機の前に立つサラリーマンの緩慢な動きに
少し海炭市の気配を引きずってしまった。
せめてもの救いは、上映時間が朝やったということで、
これがもしレイトショーなんかで観てたら、
観た後ちょっと落ち込んでたかもしれないな、と思ったりもした。
梅田に着いて、北新地の駅の方へ向かう道中、
ヨドバシカメラの巨大な建物を目にしたとき、
なぜだか妙に落ち着く自分がいた。
良かった、ここは梅田だ、みたいな。

・・

ちょっと暗い、ずしっと重い映画を好む人は、是非。
なんというか、後味しっかりの・・・
余韻とか影とかをしっかり刻んでくれる感じの映画です。

個人的には加瀬亮さんと南果歩さんの演技がなかなかに素敵やなぁと思った。
あと、ジム・オルークの音楽も良かったし、
何よりも、舞台となった函館の街が美しかった。


・・でも今はちょっと誰かの話で大笑いしたい気分。
映画なら、『ギャラクシー・クエスト』あたりをまた観たい。




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ギャラクシー・クエストの
サーミアン星人。笑

(本当におもしろかった☆)










1778

世に、ダメ男というのがいますね。
そんな私はよく、人から「ダメ男好き」のレッテルを貼られるのですが・・・。笑
今日ね、そんな"ダメ男"が出てくる映画の試写会に谷川さんと行ってきました。
僕と妻の1778の物語」という、1月15日ロードショーの映画。
場所は御堂会館。

~簡単なあらすじ~
スマップの草彅くん演じる夫のサクはSF作家、竹内結子演じる妻は銀行員。
ある日、妻が余命1年を宣告されて、夫はそんな妻に毎日短編小説を書いて
プレゼントすることにしたんやけども・・・。


もうね、この夫がね、部屋に小さなロボットを大量に収集してて
頭の中はSFのことしか考えてないの!
宇宙人の話とかロボットの話とか宇宙人の話とか(あ、これ2回目か)、
もうそんなことばっか考えてて。
感情的になって妻にワッと言っちゃったりもしちゃってね・・・。
しかも言っちゃったあとは自己嫌悪で一人ズーンと落ち込むっていう・・・。
病気の妻に料理作ってあげたらほぼ失敗するし。
結局妻が家事はするんやけども・・・
もう甘えまくり!
とにかく妻のことが大好きなんだな。。
それでいて、妻も夫のことが大好きなのだ。
愛してやまないの。

・・驚くほどに、竹内結子演じる妻の気持ちに感情移入してしまってる自分がいた。
(あーわかるわかるわかる><私も同じ立場やったら同じこと言うわぁ!)みたいな。笑
そんなのの連続。
夫のサクは色々ダメなんやけど、
優しくてまっすぐで嘘がつけなくて、才能があって。
お金になる仕事が回ってきても、自分の名声や社会的成功のためだけに
仕事を引き受けたりはしないんやな。
そして妻の節子もそのことを全面的に後押しする。
どんなときも夫の決断を理解し、誰よりも支持する。
ここは絶対的なのだ。

節子がね、最期に自分のお母さんに言ってた。
「あの人は私に夢を見させてくれるの」って。
その瞬間も私、心の中で(わかるー!!)って。
否応なく襲ってくる厳しい現実には自力で対応していくから
家に帰ったときにはホッとさせて欲しいもん。
楽しい話、馬鹿げた話、夢みたいな話を聞いていたい。
節子がサクを好きな気持ち、すごくよくわかるなぁ。
私も好きだ、サクのこと。

なーんか、夫婦っていいなぁって思った☆
あんな夫婦、理想やな。
この映画、全然期待とかせずに観に行ったんやけど、
ちょいちょい出てくるSFのシーンもかなりおもしろかったし(笑いも起こってた)、
感動もしたし、オススメです。

みなさん、好きな人と、是非☆



*予告

明日はクリスマス会(12/25)の詳細を載せます!!
(明日こそは!!今日はもう寝る!)



なんとなく。
Elton John/Goodbye Yellow Brick Road
http://www.youtube.com/watch?v=RZ3Bb4UsXhU&feature=related







月あかりの下で

時々、ブログを読んでくれてる人から「よく書けるね」と言われる。
あなたみたいに自分の心の内を語るなんて、私にはとても恥ずかしくてできないと。
これ、一人二人からじゃなくて、結構よく言われる。
私もたぶん始める前はそうやったんやけど、
なんかその部分はもういいやって。最近は。
ここに書いている言葉が私のすべてでは無いし、
それに、言葉の受け止められ方も色々なはずで、
その部分がむしろ自由でいいなぁって思ったりもしている。
なんか・・・適当じゃないですか。笑
そこが好き。
絶対こう思って欲しいとか、誤解されたくないって思わないから。
いや、誤解だらけで読まれたとして、それはさすがにちょっと残念やけども(笑)、
でもまぁいっか~って。基本は。

私は言葉を書くことが好きなんやけど、
でも一方で、言葉を連ねて、それで伝わるものなんてたかが知れてるなーと、
そう思ってもいる。
あれもこれもあって、ブログもある。
何も話さなくてもただ傍にいるだけで感じるものってあるじゃないですか?
正直、私はそっちの方がよっぽど信用できるとすら思っていて・・・。
じゃあなんでブログなんか書いてんだって、やっぱり楽しいからです。
でも楽しさを超えて、ブログが唯一の居場所みたいになっちゃったら大変そうやな。
あれもこれもそれもどれもあって、ブログ。
そんな感じです。

・・

昨日はまたまた十三のナナゲイで映画を観てきた。
映画の始まる前に10分くらい予告が流れるじゃないですか。
あれを見て、それで気になりすぎてまた観に行っちゃうっていう・・・
完全に映画業界の罠にハマってますね、私。笑

昨日は、『月あかりの下で』という映画を観た。
以下、サイトの中の映画紹介文。

「夜間定時制高校―そこはいま働く若者たちの学びの場、そして小・中学校で不登校、高校を中退した若者たちの再出発の場となっています。
映画の舞台は、1学年1クラス、全校生徒120人足らずの埼玉県立浦和商業高校定時制のあるクラス。
派手なメイクで身を固め教師に暴言を吐く生徒、家庭内暴力が原因で登校できなくなった生徒、明るい笑顔が魅力のある生徒は自傷行為を繰り返し・・・
彼らのやわらかな心は、家庭や社会の歪みに傷ついていました。
そんな若者たちが、大家族のような〈学校=居場所〉の中で悩み、ぶつかり、支えあい過ごした日々と、その先に見えた希望。2002年の入学から2006年の卒業までの4年間、そしてその後へと、生徒一人ひとりに寄り添った貴重な映像が、テレビ放映を経て、ここにドキュメンタリー映画として誕生しました。
人との絆が、人を育てる。いまを悩み、懸命に生きるすべての人へ、この作品を捧げます。」


カメラはよくぶれて動くし、映像として見たら見にくいところも多々ある映画。
でも、この映画を撮った太田直子さんに私は本当に感謝します。
そしてこれを上映した十三第七芸術劇場もまたすごい。

夜間定時制高校といえば、行政の財政難から、もうどんどん統廃合されていっている。
この映画の舞台となった埼玉県立浦和商業高校(通称、「浦商」)も、
2008年に統廃合され、今は存在しない学校。
でもその場所を必要としている人は確実にいる。
映画の中でも、卒業生たちが集まって、行政の人たちを前に、
統廃合の撤回を求めて訴える場面が出てきた。
そこには、本気の怒り、悲しみの叫びがあった。
「俺は少年院2回行ったんだ、でもこの学校だけは俺を見捨てなかった」って、
涙流しながら訴える卒業生のお兄さん。
それも一人じゃない、何人も。
悔しい!悔しい!!って。
「僕は小学校3年生までしか学校に行けなかった。
でもここはそんな僕に学びの機会を与えてくれた」って言う60代のおっちゃんもいた。

伝わらない、もどかしい気持ち。
いつだって、大きなものは小さなものからいとも簡単にむしり取る。
奪い去る。
弱肉強食は人間だっておんなじだ。

小さな小さな学校、浦和商業高等学校。
そこではみんながみんなを支え合って生きていた。
このままでは進級が危ぶまれる生徒たちに向かって、
茨木のり子の『自分の感受性くらい』を大声で読み上げながら
みんな一緒に進級しようって、心から、一人間としてぶつかっていく先生がいた。
保健室の先生も数学の先生も担任も、給食のおばちゃんも、みんなでみんなのことを考える。
生徒たちもみんなでみんなを考える。
リストカットで傷んだ腕を消毒する友達を見て、泣きながら傍に寄り添い、
自分の腕に残ったタバコの根性焼きの傷跡を見せる女の子。
ツライ気持ちも楽しさも、孤独でさえも、みんなで少しずつ分け合う。

そんなかけがえのない人間的営みは、いとも簡単に大きな力でもって奪い去られてしまった。



綺麗ごとじゃない、リアルな現実。
美化してないし、嘘ついてない。
顔を見せたくない生徒にはモザイクが掛かっていた。
これは嘘じゃない、本当の話だ。

・・

最初のブログの話ともつながることなんやけど、この映画の定時制高校ね、
何がいいかって、一人じゃないところ。
恋愛関係みたいに、一対一でずごーんと付き合ってくのも大切で
かけがえのないことやと思うんやけど、
みんなでみんなを少しずつ支えるってのも絶対に必要やと私は思う。
浦商にはそれがあった。

昨日、映画を観たあと、自分を支えてくれている人たちのことを
たくさん思い出してみた。
色んな顔が浮かんできて、すごく幸せな気持ちになった。
仲間を作る過程には、誤解も衝突も疑心暗鬼も色々あるけれど、
それやからこそ、乗り越えたときの絆ってすごいもんね。
そこに飛び込んでいく勇気を忘れたらいけないな、と思ったりもした。



あれもこれもそれもどれもあって、ブログ。

読んでくれてるみんなに感謝です。改めて。



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斉藤和義/月影
http://www.youtube.com/watch?v=u0uWdNagLvc







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