忍者ブログ

手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

息もできない

昨日の夜中に大人計画のサイトを久しぶりに見ていた。
私はクドカンのことが何げに好きで。
(あ、ユースケサンタマリアを好きなのは大前提ですが。笑)
このサイトに、「宮藤官九郎の小部屋の中の引出しの三段目の日記帖」という
長ったらしい名前(笑)の、日記形式のページがあって。
それを見てたら、どうもクドカンは、映画『息もできない』が好きらしい、
・・ということを、知った。


『息もできない』は韓国映画。
私も去年の5月頃に観た。
心斎橋のBIG STEPの中の映画館で。

『息もできない』を観た日のことを思い出すと、
それだけで暗澹とした気持ちになる。
この映画、すごかった。
帰りの御堂筋線の電車の中でずっと、
得体の知れない倦怠感と不安感に苛まれ、
しばらく誰とも話す気になれなかった。
心が疲れきってしまい、わけのわからない涙が溢れたりもした。


~簡単なあらすじ~
友人が経営する取り立て屋で働いているサンフン。
その容赦ない取り立てと暴力は時には仲間にも向けられ、怖れられていた。
ある日、サンフンの父が刑務所から出所。幼いころ、家庭内暴力が元で母と妹を死なせた父親。
その父をサンフンはただ殴りつける。
そんなサンフンが出会った女子高生のヨニは、サンフンの暴力的な態度にも怖がらない。
そんな彼女に、サンフンはどこか惹かれるものを感じる。そんな彼女の家庭も暴力を抱えていた・・・。

(詳細なあらすじはここを)


・・

たぶん、相当おもしろい映画なんやろうと思う。
キネマ旬報の2010年外国映画部門の1位にも選ばれてたし、
クドカンもDVDを買ったらしい。
私自身、もう一度観てみたい映画ではある。
ただ、観ながらずっと、ヒリヒリキリキリした。
観てて、すんごいしんどかった。
個人的には、しんどかった映画・ベストオブ2010。
紛れもなく。

ヤミ金で鬼の取り立てをする主人公のサンフン。
サンフンが鬼になった背景には、幼少時の父親の凄惨な家庭内暴力があった。
暴力が世代を超えて連鎖していくことの悲劇。
殴る、蹴る、殴る、蹴る・・・
「シーバルノム!(くそったれ!)」の連呼・・・。
サンフンは、ヨニとの出会いで人間らしさを徐々に取り戻していくも・・・
待っていたのはあまりにショッキングな結末。


私の苦手な何かがスクリーンいっぱいに溢れていて、
観たくない、聴きたくないと、
目と耳を塞ぎたくなるのを我慢して、我慢して、観た。
観た直後、ブログに感想を書こうかと思ったけど、
あまりに気持ちが沈んじゃってダメだった。
そんな映画。

何があんなにしんどかったのか。
たぶん、私は暴力が本質的に嫌いなのだ。
殴ったり、蹴ったり、口汚く罵ったり・・・。
それも俳優さんの演技にリアリティがありすぎて・・・
観てて真剣に吐き気がした。
暴力をただ傍観し続けるということが、あれほど苦痛なものとは思わなかった。
家庭内暴力。
それを目撃するだけでも、子どもの心には深い傷が残るという。
そのことを、この映画を観て、私は初めて少し理解したような気がした。
あの、生々しさ。
生々しい音・・・
内臓をえぐりとられるような、内に響き渡って、未来永劫残り続けるような、痛み。
それを映画にしてみせたこと、すごい。
私は映画のことも難しいことも全然わからない。
けど、そのことはすごいと思った。

・・

学生時代、児童養護施設で、虐待をうけた子どもたちへの
学習ボランティアをしていた。
子どもたちは時々、情緒不安定になって泣き出したり、
攻撃的になったりした。
「お前なんか死んだらええねん!」
吐き捨てるように言った小3の女の子。
あの子やこの子の姿が否応なくスクリーンに重なった。

観た直後、主人公を幸せに導かないこの映画に、心底憤りを覚えた。
吐き気がした。
観なかったら良かったとは決して思わないし、
観れて良かった。
でも、これをおもしろいと感じる感性は、残念ながら、私には無い。


おもしろい映画なんやろう。
でも、嫌い。
でも、また観てみたい。
そんな映画。




e9f9e710.jpeg









いつか書きたいと思ってたから
書けて良かった。

『息もできない』
















PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

この記事へのトラックバック

トラックバックURL

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新記事

プロフィール

HN:
fisun
性別:
女性

ブログ内検索

Copyright ©  -- 手をつなぐ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]