忍者ブログ

手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

カテゴリー「日々のこと」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

休憩


本を開いてみたり、音楽を鳴らしてみたり。

・・

三人の魔女は、パパゲーノのまわりで、床をふみならしながら踊った。

 嘘つきどもの口に 金の錠前 はめたなら
 この世の憎しみ 中傷 腹立ち みな消えて
 愛と友情のきずなができるだろうに

ミヒャエル・ゾーヴァ『魔笛』より


Беловежская пуща Belovezgskaya/a dense forest 
http://www.youtube.com/watch?v=elq8FsHwc6M


かわりにしんでくれるひとがいないので
わたしはじぶんでしなねばならない
だれのほねでもない
わたしはわたしのほねになる
かなしみ
かわのながれ
ひとびとのおしゃべり
あさつゆにぬれたくものす
そのどれひとつとして
わたしはたずさえてゆくことができない
せめてすきなうただけはきこえていてはくれぬだろうか
わたしのほねのみみに

谷川俊太郎 『死と炎』


Capricho Catalan played by Charles Mokotoff 
http://www.youtube.com/watch?v=LBv3QQ1X5CE

 
 

はるかかなたの舳や甲板の上で
たがいに知らない人たちが
手を振る
またとない熱い血族のように
手を振る

・・

明日のない海に
わたくしたちすべて
あてどなく流れゆく波であり
たえまなく砕け散る泡沫であることを
振る手はたがいに知っている

ホン・ユンスク(茨木のり子訳)『海ー海の言葉』より




・・

「これなに?」
開いた絵本の上に人差し指をくっつけて、女の子がいっている。
赤いワンピースを着たうさぎの絵がかかれている。
「うさぎ」
と父親がいう。
「これなに?」
次のページを捲らないで、もう一度、女の子がいう。
「うさぎ」
父親がいう。
「これなに?」
女の子がいう。
「うさぎ」
父親がいう。
「これなに?」
どうして同じことばかり訊くのだ。
「うさぎ」
語尾に力を入れて、面倒臭気ないい方をした。
すると、
「みみ」
と女の子は、父親の顔を睨むような顔をしていった。
女の子の人差指は、うさぎの長い耳の上を指している。

成瀬政博『羊飼いの雲ー父と子の日々ー』「絵本」より




b7317e85.jpeg



























 
PR

一歩

実はこのところ、勉強へのモチベーションの低い状態が続いていた。
何も手につかないし、何もする気が起きない。
新学年が始まろうとしていて、つい先日にはオリエンテーションもあり
いよいよ!というときだというのに・・・。
なぜなのか、理由を考えてみてもわからなかった。
ただ、得体の知れないしんどさがあって、そこから逃げるために
気分転換をしようとしたり、無理やりにでも机に向かってみたりと
悪あがきをたくさんした。
でも、思考は迷走を続けるばかりで、気分はちっとも晴れず、
焦燥感ばかりが募っていた。

でも、今日、やっとわかった。
その理由。
糸口となったのは、私のことを昔から深く理解し支えてくれてる人の言葉。
「もっと客観的になって考えてみたらどう?
もしかして何か封じ込めてるものがあるんじゃない?
自分の主観は一旦少し置いておいて、第三者的に今の状況を分析してみたら
わかるかもしれへんよ」。

・・

第三者的に考えてみた。
いつからおかしいのか。
実習が終わった後からだ。

実習がしんどかったから? 違う。
先生が厳しかったから? 違う。
あまりに大変な日々に燃え尽きた? 違う。
思うような成果が出せなかった?
・・・
患者さんに対して何ができた?
・・・
もっとできたんじゃないの?
・・・
なんでできなかったの?
・・・
・・・・・・・。

私は患者さんに何もできなかった。
私の診た患者さんは、決してそれが十分と言えるような
リハビリを受けてはいなかった。それなのに。

実習から帰ってきて、学校の先生と実習の振り返りをしたとき、
学校の先生が私の診た患者さんに取り入れられそうな
リハビリの手法をたくさん教えてくれた。
こんなにいろんなことができるんやって、私はそのとき初めて知った。
でも、実際に患者さんに接してる間に、私は何もできなかった。
現場に流れてる支配的な空気に負けて、思うように振る舞うこともほとんどできなくて、
本当に何も、何も言えなかったし、できなかった。

実習が終わったあと、実習先の先生への礼状と一緒に
私は患者さんへの手紙を同封した。
大したことをできず、むしろ煩わせてしまったことへのお詫びなどを書いた。
そして最後に、これからの季節をどうか暖かい気持ちで迎えられてくださいねって、
そう書いて送った。
ほんの少し期待した。
もしかしたらこれがわずかでも患者さんの希望につながるかもしれないって。
少しでも喜んでもらえるかもしれないって。

でも・・・
三週間後、実習先から届いたのは、
事務的な書類に貼りつけられた付箋が一枚。
そこには表面的な労いの言葉が数行書かれてあるだけで、
手紙を渡してくれたのかも、読んでくれたのかも一切書かれてはいなかった。

誰かが代読してあげないと、患者さんは、手紙を手に持つことも、
字を目で追うこともできないのに・・・。
もしかして読んでくれなかった?渡してもくれなかった?
そう思ったらますます気持ちが塞ぐようだった。
本当に本当に何もできなかったんやって。
私はあの患者さんと出会って、最後まで何もできなかったんやって。
そのことを突き付けられたとき、これについてそれ以上考えるのがつらくなった。
だから、見ないようにした。
意識の世界から追い出して、極力、考えないようにした。

・・

でも今日、前に進むために、そのことを直視した。
やっぱり考えずにこの先へ進むのは無理やってわかったから。
改めて考えたら、涙がボロボロ出てきて
本当に苦しい気持ちになった。
でも・・・
立ち込めてた暗雲は少しだけ晴れた気もした。


諦めたくないな、と思う。
自分のことも、出会った誰かのことも。
うまくいかないことばかりで嫌になるけれど。
でも、きっとそれだけじゃないから。
そう信じて、また進んでいこうと思った。
悲しいし、悔しいし、つらい。
でもそればかりじゃない。
きっと。

・・

今日のこの気持ちをずっと忘れないようにしようと思う。
何回も思い出して深く深く刻もう。
そうやってやっていこう。


目をぐっと閉じて・・・
パッと開いて、一歩。
そういうイメージで。
光が降り注ぐ坂道を、青空に向かって歩き進めるような。
そんな感じで。
とにかく、登りきるまで行ってみたい。


・・

Martha Argerich/Chopin - Raindrop Prelude
http://www.youtube.com/watch?v=ZaUX-BAaiFQ

ショパンの雨だれ。
この曲はショパンの健康状態が悪化の一途を
たどる中で作られた曲らしい。
しかも陰鬱な雨が毎日降り続いている時期だったとかで。
でも、この曲について書かれたとあるブログで、
”メロディの美しさ、明るさはこれから夏に向かう6月の雨を感じる。
どんなに激しく降り続いた雨でもいつかは必ず上がり、
柔らかい光が差しこんでくる”って書いてあって・・・。
いいなぁって。




86dffaf2.jpeg























 

大人道 続き

落ち込んだときの独り言、第二弾行ってもよろしいでしょうか。
(誰に何伺ってんだか)

よし、いつものテンションで書こう。

先日の話。

・・

時々、私の書く言葉を褒めてくれる人がいる。
先日、私のfacebookへの投稿をほぼ全部読んで
わざわざ電話でそれを報告してくれた人がいた。
facebookはごくまれに、気が向いたとき細々と(このブログよりももっと軽い感じで)
書いているんやけど、その人は相当に何か思うところがあったようで
第一声が、「facebookめっちゃ読んだで!おもろいな」やった。
 
小さい頃、一人、無言で過ごすことが多かった私は、いつも心の中で独り言をつぶやいていた。
声には出さないけれど、ずっと。
私の書く言葉はその独り言の延長だ。
書こうと思って書いてるんじゃない。
勝手に出てくる言葉。
文筆家のように起承転結を考えたり構成を練ったりなんてしてないし、
書き直すこともほとんどない。
私一人の世界。
それをときどき公開してみている。
 
言葉なんて吐き捨てるほどにあって、うんざりするくらい溢れかえっている。
だから正直、あんまり信用できない。
最も信じるべきは言葉じゃない。
言葉を超えて伝わる何か。
でも、矛盾しているかもしれないけれど、言葉ではとても伝わらないとわかりきっていて、
それでもなお言葉に懸けていく感じはいいな、とも思う。
限界を知った上で諦めずに悪あがきをするのは悪いことではないはずだから。
というか、そうじゃないとやってられない。
 
・・
 
私の書いたものを褒めてくれる人がいるのは嬉しい。
けど、いつも何か複雑な気持ちにもなる。
だってそれは私の独り言やから。
私とその人との間に生まれたものではないから。
独り言はあくまでも独り言であって、あなたと向き合った現実の私は
きっと独り言なんて話さないし、だからなんとなく、申し訳ない気持ちになる。
そこに、ある種の期待がもしもあるとしたら、残念な結果になる気がして。

言葉なんて・・・と思いながら、私は
もっと深く話し合いたいと思っている。
伝わらないもどかしさを抱えながら、もがきの中で生まれた言葉を通わせたい。
幻滅と失望を繰り返しながら。 
がっかりするほど人間的に。



・・

でも、独り言の世界でも、愛してくれる人がいるのはやっぱり嬉しいことなのかもしれない。
今、そう思い直した。
 



509d812f.jpeg

























 

大人道

はぁぁぁぁぁぁあ・・・と、激落ち込むことがあって
実は今もその大打撃からあまり復活できてなかったりするんやけども。
自分の幼さやエゴや弱さに打ちのめされて倒れそうになってた。
・・書くことでちょっと気持ちを切り替えようかと。

これ聴きながら書こう。
Zimerman/Chopin Barcarolle Op. 60
http://www.youtube.com/watch?v=KU-5u2dmXdM
本当に大好きだ。この演奏、この曲。

・・

自分を励ますためではないのだけれど、私は本当に友人に恵まれていると
常々に思う。
私の友人たち(多くは同性の)は真剣に素晴らしい人たちばかりなのですよ。
みんな全然違う個性を持ってて、似たような人は一人もいないと言えるくらいなんやけど、
一個だけ共通してるところがあって。
それは、気遣い・フォローがすごいこと。
めちゃくちゃよく気がつくし、人の気持ちを汲み取って共感できる人たちばかりで。
自分勝手で無遠慮な人は皆無だと言い切れる。
それでいて、確固たる「自分」を持ってて、芯がしっかりしてて。
自分を上手に押し出していきながら、人の気持ちや立場を優先して
抑えるところは抑えられる人たち。
大人やなぁ、みんな。
友人たちから学ぶことばかりだ、私は。本当に。
ありがたい。

凹んでもなんでも現実は否応なくやってくるので(苦笑)
またまた勉強モードへのスイッチがオンになりつつある今日このごろ。
しっかりしないとね。
頑張ろう。
私は私の信じた道を。
よし。


短いけど、今日はこの辺で。





空へ続く道
4adf07dd.jpeg































 

カレンダー

08 2025/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

プロフィール

HN:
fisun
性別:
女性

ブログ内検索

Copyright ©  -- 手をつなぐ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]