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手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

休憩


本を開いてみたり、音楽を鳴らしてみたり。

・・

三人の魔女は、パパゲーノのまわりで、床をふみならしながら踊った。

 嘘つきどもの口に 金の錠前 はめたなら
 この世の憎しみ 中傷 腹立ち みな消えて
 愛と友情のきずなができるだろうに

ミヒャエル・ゾーヴァ『魔笛』より


Беловежская пуща Belovezgskaya/a dense forest 
http://www.youtube.com/watch?v=elq8FsHwc6M


かわりにしんでくれるひとがいないので
わたしはじぶんでしなねばならない
だれのほねでもない
わたしはわたしのほねになる
かなしみ
かわのながれ
ひとびとのおしゃべり
あさつゆにぬれたくものす
そのどれひとつとして
わたしはたずさえてゆくことができない
せめてすきなうただけはきこえていてはくれぬだろうか
わたしのほねのみみに

谷川俊太郎 『死と炎』


Capricho Catalan played by Charles Mokotoff 
http://www.youtube.com/watch?v=LBv3QQ1X5CE

 
 

はるかかなたの舳や甲板の上で
たがいに知らない人たちが
手を振る
またとない熱い血族のように
手を振る

・・

明日のない海に
わたくしたちすべて
あてどなく流れゆく波であり
たえまなく砕け散る泡沫であることを
振る手はたがいに知っている

ホン・ユンスク(茨木のり子訳)『海ー海の言葉』より




・・

「これなに?」
開いた絵本の上に人差し指をくっつけて、女の子がいっている。
赤いワンピースを着たうさぎの絵がかかれている。
「うさぎ」
と父親がいう。
「これなに?」
次のページを捲らないで、もう一度、女の子がいう。
「うさぎ」
父親がいう。
「これなに?」
女の子がいう。
「うさぎ」
父親がいう。
「これなに?」
どうして同じことばかり訊くのだ。
「うさぎ」
語尾に力を入れて、面倒臭気ないい方をした。
すると、
「みみ」
と女の子は、父親の顔を睨むような顔をしていった。
女の子の人差指は、うさぎの長い耳の上を指している。

成瀬政博『羊飼いの雲ー父と子の日々ー』「絵本」より




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