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手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

カテゴリー「日々のこと」の記事一覧

明るい陽射し

やっと一段落…。
夫の風邪が実はインフルで、それがそのまま娘にもうつってて。
生きた心地がしなかった。
夫も娘も回復してホッと一息。
次は私…?と内心ヒヤヒヤしつつ、気を強く持って、なんとか滑り落ちないように。

・・・

新しいことを始めることにした。
いつから、とか、どれくらいの頻度で、とか、そういう詳細は決めきれてないけれど。
出産を機にそれまでしていた仕事を休んで、働くということから遠ざかっていて。
でも、声を掛けてくれる人がいて。
いわゆる"重度"の身体障害のある子どもたち、というのがいる。
見学だけでも来てみてといわれて行った先は小さな民家やった。
そこには呼吸器を装着した子や両手の無い子、身体を起こすとぐにゃっと折れ曲がる子なんかがいて…
周りの大人たちは何らかの医療関係の資格を持つ人。
けどみんな普段着で、ケアしているというよりは和気あいあいと、みんなで寄り添っている、そんな感じがした。
ああいいなぁと素直に思って、それからものすごく悩んだ。
仕事として私は高齢者をみることしかしてこなかったから…。
単純に、できるのかな、と。
ここで求められている役割をはたして果たせるのかな、とか。
もやもや色々ゴチャゴチャ考えて、やってみよう!と思ったり、やっぱり無理だ断ろうと思ったり。
いろんな意味で落ち着かないここ数週間やった。

学生の頃、私は障害のある人たちや子どもたちと日常的に一緒にいた。
学童保育で子どもたちともみくちゃになって遊んで、いつも身体のどこかに傷があったような。
障害のある人たちの暮らしの場に一緒に入って過ごしたり。
今思い出したけど、マサ子さん。
私の身体の2倍くらいある大きな女の人。
ある人に頼まれて、私はその人と一緒に一晩を過ごすことになったんやけど、あれは大変やった。
私とマサ子さんは初対面で、マサ子さんは私とは違う言葉で話した。
あー、とか、うー、とか。
ドスのきいたひくーい声。
歳は私より一回り以上は上やったと思うけど、本人に確認できたわけじゃないからこれは推測。
ご飯を作って一緒に食べたら、ものすごい勢いで平らげるのでびっくり。
あとから聞いたところでは、その昔、ヤカンいっぱいのお茶を一気に飲み干してしまったこともあったとかなんとか…。
ご飯の後はお風呂に一緒に入った。
そこで身体の大きなマサ子さんを洗うのに四苦八苦。
湯船に浸かりましょうと言ってもなかなか伝わらなくて、身体をうまく誘導することもできなくて。
そしたらマサ子さん、急にお風呂場の壁に頭をドン!ドン!と強く打ち付けだした。
止めなきゃ!と全力で身体を壁から引き離したら、マサ子さん泣いてて。
それを見て私も猛烈に悲しくなり、二人で号泣。
お風呂場で。裸で。

振り返ってみて、よくもまあ私に任せたなと思うし、私もよく引き受けたなとも思うし。
若かった、というのもあるけれど…。
こういうことってずっと覚えているんやなぁ。
そしてなんだか、あれっきり会っていないマサ子さんのことが、じんわりと今、愛おしい。

高木さんがアップしていた竹富島の動画を観て、竹富島の人たちが、かつての圧政のなかで、歌をうたって、うたって生きてきたことを知った。
私も竹富島に行ったことがあるけど、あんまり何もよく知らずに行ったから…。
こういうこと、知ってたら良かったな。
小さな人たちの小さな営みの結晶があの島に伝わる歌の数々なのかな、と思った。
https://www.youtube.com/watch?v=qf2So5LL6ow

私もまた小さな存在で、これから有名になるとか…そういうのもまぁ、まずない。
小さなままで、誰かと一緒に寄り添って生きれたのなら。
何もできないけど、私の僅かばかりの力を必要としてくれる人がいるのなら、その人たちの役に立ちたい。
一緒に生きたいなぁと…
これは今も昔も変わらない思いとしてある気がする。
できるかできないかより、やってみるかやらないかかなぁと。



マサ子さんとはお風呂を出た後、疲れてお互い朝までぐっすり眠って、起きてからは何事もなかったかのようにまた二人で朝ご飯を食べた。
私は私の言葉で喋って、マサ子さんはマサ子さんの言葉で喋って。
相変わらずよくわからなかったけど、少しだけ近づいたような気がしたんやった。
あの日も窓から陽が差し込む今日みたいに明るい朝で。
ホッとして、嬉しかった。



何でも少しずつ。
希望を捨てずに。
そこにある木の存在を慈しむような。
ぴんに木あよーの歌みたいに。








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繰り返す日々

娘の風邪がやっと治ったと思ったら夫が風邪。
鼻水ずるずるに咳、微熱まで。
とりあえず上着を出して暖かい格好に。
生姜をすって大葉を小さくちぎったところにお湯を入れ、黒糖を溶かしこんだら即席薬膳ドリンク完成。
身体が確実に温まってそれでいて美味しい飲み物。
身体がカッカッするわぁと言って飲んでた。
そこからは一気に晩ごはん。
湯豆腐にちりめんと大根おろし、鶏ささみと小松菜と卵をさっと炒め、けんちん汁に、カボチャの煮物。
消化にいい、身体を温める食べ物をどんどん作ったら同時進行で娘の離乳食。
出来上がったものが無事二人の胃袋に入ったのを見届けてから湯船にお湯を張る。
夫は一番風呂で、湯上りに熱いお茶を飲んだらすぐさま就寝。
続けて私は娘とお風呂。
最近娘が洗い場でよく動くのでわちゃわちゃして、これまたわちゃわちゃしながら授乳。
寝たかな…と思いきや起きてたりで、なんだかんだ一時間ほど掛けて寝かしつけ。
ふぅ、やっと終わったーと横になったら二時間おきに娘が起きる。
どうもお腹が空いたとかではなく、不安なのかな。
自分と母親が別々の人間であることに気づいて、人見知りも始まって。
最近一日中、ベッタリなのだ。
夜中も泣きながら起きてきて、抱き上げてギューッと抱擁したらまたスイッと眠る。
寝付いてもときどき不安そうに眼を開けるときにはしばらく手を握っておいてあげる。
そうすると安心してまた夢の中へと戻っていく。



そんなこんなな毎日。
たぶん子育てしてる家は似たようなもんなんやろうな。

高木さんの石垣島でのコンサートにまつわる写真を見ていいなぁとちょっと癒されて、リンクで紹介されてた動画の「ぴんに木あよー」を一緒に口ずさんでみたりもして。
そんな時間も合間にあって、変に目が覚めてしまった今はそれはそれで幸せ。

あの動画を見て、色々思ったことがあったんやけど…
まぁいいか。今度書く…?
書いていたらまた少し眠気がきたので。





停滞か、前進か、これでいいのか

自分が過去に書いたことは大抵忘れてしまっている。
ときどき、この忘却力をなんとかしたいと思うけど、それがあるから助かっているところもあるので何とも言えない。
ふいに、5年前の今頃に書いた文を読んだ。
このときのことを忘れてしまっている。
どういう時期やったのか、何に悩んでいたのか。
けど、読んでみて苦笑い。
今もこのときも本質的には変わってない気がして、私。
人間そう簡単には変わらないものなのかも…。
うぅー…
いや、でも、少しは前進?変化?したと思いたい…(切に。)

このときより刹那的な気持ちだけはすこーし緩和した?
丸くなった?
なんか、誰かに大丈夫って言ってもらいたい気分。(タイトルがそれを反映。笑)
 

以下、5年前の私が思っていたこと。
  

・・・
  
疲れたときに癒してくれる音楽がある。
こうして言葉を書くことで整理される気持ちもある。
書いては消して、壮大な文字の塊ができあがったのを見た瞬間、
満足して全部消す。
そんな日もある。

ときどき、日々が音楽みたいならいいのにと思うことがある。
もしくはアマデウスの映画みたいならいいのにって。
生活の雑多なこと、ごちゃごちゃした負の感情も
全部音楽になってしまえばいいと。
モーツァルトのように、日々の苦しみも、喜びも、すべては音楽に。
そんなふうならいいのにって、そう思う。

私は人の悪口が好きじゃない。
それを自分が言うのも、誰かが言うのも好きじゃない。
誰かが誰かを嫌いになる瞬間を目撃するのも好きじゃない。
みんないいところがある。
ひどいことをされた。でも、
そんなつもりでしたことじゃないかもしれないよって、そう思う。
でも自分も言ってしまうことがある。
あんな人大嫌いやって。
許されへんって。
そんなときは決まって、後から嫌な気持ちになる。
言ってるときの数倍落ち込む。
なら言わなければいいのにって思うのに、
そうもできない弱さがある。
でも弱いままでいいとも思っている。
つまり結局、苦しみからは逃れられないということ。
幸せな瞬間があれば苦しいときもある。
だからせめてそれが全部音楽になればいいのにと思う。
もしくは音楽のような言葉に。
何の無駄もない、生きてることそのものみたいな言葉に。

マグカップを手の平にぎゅっと抱え込んで
中に入れたお茶の温かさを確かめてみる。
もう4分の1も残っていないけど、その温もりはたしかだ。
口に含んでみたら生ぬるい。
この安堵感、信じたい。

優しい音楽が聴きたいな。
生ぬるくていいから安心させてほしい。
ただそれだけ。
 
・・・


こんな夜に。

今、娘が私の腕の中で眠っている。
抱き合う姿勢。
頭を私の肩の上に乗っけて、小さな右手は服の襟口の中に差し込まれている。
鎖骨付近の皮膚にじんわり感じる小さな温もり。
互いの匂いと体温が間近に。
波打つ鼓動が重なり合う。

こんな姿勢では眠りにくいやろうと布団に置こうとする。
そしたらたちまちふにゃふにゃと顔を歪ませては泣き出す。
慌てて抱き上げそのままじっと。
ズシッと感じる頭の重み。
脱力しきった全身が私の胸を押す。
もういっそこのまま一緒に眠ってしまおうか。
二人で一つやったあの頃。

この子を守りたい。
そんな感情。
知らなかった。
こんなこと思うんやな。
沸々と心の奥底から湧き出てくる気持ち。

ここにある小さなともしび。
吹きさらす冷たい風にも決して消えない。
明るく強い灯り。

この子を守りたい。
こんな夜中に思うこと。






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