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夜にだって月はあるから

引き続き、観劇記録を。

Mayの『夜にだって月はあるから』を観た。
さっきチラッと検索してみたら、この公演の感想をブログで書いている人がたくさんいて。
しかもその人たちの感想があらすじも含めてすごく丁寧だったりするので
私は、物語の本筋から外れるかも知れないけれど、
自分が思ったことを素直に書こうと思う。

・・

とても美しい恋の物語だった。
ヒロインの貞仙(チョンソン)と、主人公の春太(チュンテ)。
春太の一目ぼれで始まった恋は、互いの背負っているものや
これから進もうとする道の決定的な違いなどで、結局、成就せずに終わる。
でもそれが悲劇的に描かれるのではなくて、あくまでも美しい愛とユーモアで表現されていて。
最後はそれぞれの幸せを静かに祈るような気持ちになった。

貞仙を演じられた福田ひと美さん。
舞台上のどこにいてもハッと目を引く華やかな役者さんで、
この方の美しさに私も一目ぼれだった。
そして春太を演じられたMay座長の金哲義さんとお二人で並んだとき、
この二人が愛を育むというのはすごくまっとうで美しい、と思った。
言葉にしたらなんとなく安直な感じがしてしまうけど、でもこれって重要なことやと思う。
素敵やなぁと思うからこそうまくいけばいいのにと思うし、
別れを感じるシーンではより悲しいと感じるような気がする。
おのずと物語へ向かう集中力も上がる気がするし・・・。
印象に残るシーンはいくつもあったけど、振り返ってみて、
やっぱり私は、この貞仙と春太、二人きりのシーンが一番好きだった。

・・

うまくいく恋もあればうまくいかない恋もある。
それはどの時代であっても、平和な場所であろうと過酷な状況であろうと、
あまり変わらない気がする。
貞仙と春太を分かつ要因には、”民族”や、”国”や、価値観やタイミングや、
本当に色々なものがあって。
でも、仮にそれらの要因が全て無かったとして、うまくいくかと言ったら
そうとも限らないと思う。

人間関係は一瞬の重なり合いの奇跡みたいなものやな、と思うことがある。
やり直しはできない。
今じゃない時を生きることもできない。
せっかく出会って仲良くなっても、何かの瞬間に関係が破たんするなんてよくあることやし、
逆に、絶交だ!と思っていても、あるときふいに強く結びつくなんてこともある。
運命だと言ってしまえばそれまでやけど、
完璧に自分の思い通りに進むことなんて、実際にはほとんどない気がする。
でもだからこそ、その一瞬を全力で生きようとする人たちの姿に
感動するのかな、とも思う。

貞仙や春太はもちろん、この物語に出てくる人たちは皆、
そのときを必死に生きていた。
二度と戻れない今を逃すまいとしていた。
誰かを、何かを愛する情熱は、そのまま、生きることに向かう力なのかもしれない。
故郷を愛する情熱、愛する人を愛する情熱、
そのどれもが何かを選び取る勇気になる。
自らの力では太刀打ちできない大きな壁や荒波を前にしても、
勇気を持ってその一瞬を選び取る。
うまくいくかいかないかの結果じゃない、今この瞬間なんだよ!って
そう言われている気がした。

・・

舞台上を生きる人びとの熱気が観ているこちらにまで伝染し、
不思議と力が溢れ出てくるような、そんな素敵な演劇でした。



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夜にだって月はあるから
















 
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