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手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

森山大道写真展

中之島の国立国際美術館でやっている『森山大道写真展』を観に行った。

この写真展を観るまで、森山大道というとモノクロ写真!と勝手に思い込んでいた。
だから、しょっぱなの展示室の大判カラー写真群にまずは驚き・・・
結論からいうと、この最初のカラー写真群が一番良かった。
写真の並べ方に、観る者の集中力を維持させるための工夫を感じたし、
選ばれた写真たちは、どれも不思議な昂揚感を感じるものたちで、
ぐっと惹きこまれるものがあった。
その後の展示はというと、森山大道の歴史総決算みたいな感じで、
良くも悪くも(というとエラそうやけども)、私がいつもこの人の写真を観たときに感じる感覚を
深くなぞるような展示やった気がする。

・・

私が写真家・森山大道と出会ったのは、たしかジュンク堂で
写真集、『大阪+』を手にしたときやったと思う。
ページをめくった先にあったのは、雑多で猥雑な大阪、そこに横たわる日常の断片たち。
幾枚にも切り取られたモノクロの風景を眺めながら、
ページを繰るごとに、なぜか気持ちがずーんとなっていったのを覚えている。

私にとって、森山大道の写真は、観続けていると落ち込む何かだ。
この人は、寂しさや侘しさという目に見えないはずのそれが可視化された瞬間を
撮るのが上手い人やと思う。
そこかしこに漂う悲哀。
それは劇的なものじゃない。
むしろ、日常の中にいつも存在していて、どれだけ鈍感なフリをしようとも
まとわりついては離れない、いわば”生きる”とほぼセットで存在するようなもの。
みんな、できれば気づきたくなくて、見たくないそれを、森山大道という人は
さりげなく、ふいに、でもはっきりと捉えては見せてくる。

今回の展示も例外ではなかった。
400点以上もの写真たちを観終わったとき、私はお腹いっぱいなのか
空腹なのかよくわからない気持ちでいた。
普段なら、印象に残った作品のことを思い出しては感慨にふけったりするのに、
今日ははそれをする気になれなかった。
なんだか少し疲れていて、一緒に行った友人と、一刻も早く
明るいカフェでコーヒーでも飲みながら、全く関係のない話をしたいと思っていた。

・・

ここまで書いた今、スカイプをオンラインにしていたら、
いつも私の気持ちを明るくしてくれる人が話しかけてきた。
・・とてつもなくくだらない、馬鹿げたやりとり。笑
楽しい☆


きっと、浮いたり沈んだりしながら進むから。
森山大道の写真も、今のこの時間も、私にとって必要なもの。




おやすみなさい。






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