手をつなぐ
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ぼくのエリ
映画『ぼくのエリ』を観た。
~簡単なあらすじ~
ストックホルム郊外で母親と2人で暮らす12歳の少年オスカーは、
毎日学校で同級生からの苛めに遭っていた。
大人たちはその事実に気付かず、助けてくれる友達もない。
そんなオスカーの前にある日現れた黒髪の少女エリ。二人は恋に落ちるが・・・。
エリの正体はヴァンパイアだった・・・。
・・
エリは吸血鬼で、人間の生き血を吸わないと生きれない。
だから次々と人を襲う。
襲われた人たちにはそれぞれの人生があり、大切な仲間がいる。
いとも簡単にそれを奪うエリは、いわば人間にとって恐るべき存在・・・
で、あるはずなのに、
どうにもこうにもそうは思えない。
気づけばエリに感情移入してしまっている自分がいる。
エリの美しさに、オスカーとエリの純粋な恋にすっかり心奪われ、
エリが生き長らえるためにはある程度の死もやむなし、
という気持ちになってしまう。
生きるということはいつも何かの犠牲の上に成り立っている。
そしてそれは常に自分本位で勝手なものだ。
この映画は、そのことを、痛いくらい、何度も何度も突きつけてくる。
極めつけがラストシーン。
あんまり書くとこれから観ようとする人の楽しみを奪うことになるから
明言は避けるけど・・・
もうね、ガチコーン!とやられる。
倫理的にはものすごく残虐で凄惨な場面なのに、
スッキリしちゃってる自分がいたから。
エリ!よくやった!みたいな。
で、直後、ハッと我に返って、いやいや、これですっきりしたらあかんやろうって
軽く自己嫌悪に陥るという・・・。
もうね、自分、最悪やん、みたいな。笑
なんか自分という人間の残酷さに、否が応なく、とことん気づかされる、
そんな映画でした。
でもこの映画、好きか嫌いかで言ったら、私はすごい好き。
まず、エリとオスカーを演じた子役2人のピュアな美しさに心惹かれるし、
雪が降り積もるストックホルムの街の気配もとても魅力的で。
そして何より、一つ一つの場面がすごく凝縮されている。
繰り返し見て、そこに込められた意味を自分なりに考えたい場面が
たくさんあった。
ちなみにさっきちらっとネットで調べてみたら、原作が文庫本で出てるみたいで、
それも読んでみたくなってしまった。
・・
自分は誰のことも傷つけていないだなんて、
そんなこと、思い上がりも甚だしい。
何かを踏みつけて、傷つけながら、今の自分がいるってこと。
少なくとも、その自覚は必要だ。
そういうの、直視するのは正直ちょっとツライけど・・・
でも、目を逸らすなよって、そう言われた気がした。
『ぼくのエリ』、イイ映画でした。
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