手をつなぐ
日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。
生きる
急遽伝えるべき事柄が生じて、
ベトナムにいる友人のあいちゃんと連絡を取った。
元・同僚で、かつ同期。
偶然にも、大学の学部も学科も一緒だった子だ。
今日は少し重い話になった。
でもとても意味のあるやりとりで、
私は彼女と出会えて本当に良かったと思った。
・・
今朝、訃報が入った。
携帯を開き、飛び込んできた文字に愕然とした。
大学時代の級友が亡くなったのだ。
おととしの夏からガンを患い闘病していたらしい。
全然知らなかった。
正直、在学中もそれほど親しい間柄ではなかったし、
卒業してからは一度も連絡をとることはなかった。
私だけでなく、同じ学科のほとんどの子がそうだったんじゃないかな。
大抵、一人で行動していたように思う。
彼女は態度が毅然としていて、力強かった。
授業中でも、何か不明な点があれば堂々と質問していたし、
パパパッと要点を押さえてどんどん進んでいく。
そんな風だった。
たしかあれは家族社会学の授業のときやったと思う。
「自分は一生、結婚しないという人はいますか?」という
先生の問いかけに、彼女はまっすぐ手を上げた。
何の躊躇もなく。
それは意志ある明確な挙手で、なんだかすごいな、と思った。
彼女とがっつり親しくしていた子はそれほどいないとしても、
彼女を覚えていないという子もいないと思う。
それだけ独特の、なんというか、自分だけのオーラを持った人だった。
時々、席が隣になったときには少し話をした。
家がガソリンスタンドを営んでいること、高校は女子高だったこと、
馬が好きで乗馬をしている・・・お兄ちゃんがいるって言ってたかな。
記憶の中の彼女。
彼女にまつわる断片的な情報をかき集めてみて気づく。
私は彼女のことをあまりにも知らない。
ただ、はっきりと覚えていることがある。
大学に入って初めて話をしたのが彼女だったということだ。
そして何度か学食を一緒に食べた。
一緒に学内を歩いた。
生科棟を出て、工学部棟の前を通り、
学情センター脇の突風に吹かれながら二号館の傍の食堂へ。
ボロボロの食堂。
何を話したかは覚えていない。
元気でいるだろうと勝手に思っていた。
元気でいることが当たり前みたいに、そう思っていた。
・・
訃報を知ったとき、以前、叔父が亡くなったときに
お坊さんが言っていた言葉を思い出した。
「故人のことを思い出すだけでも供養になります。
何度も何度も思い出してみてください」。
それから
送られてきた訃報のメールを、連絡先を知る友人たちに転送した。
もう知ってるかもしれないけど、と前置きをして。
・・あいちゃんから返信が来た。
あいちゃんがまだ私の勤めている職場にいたとき、
数少ない同期の同僚が突然、この世を去った。
私はあの頃の記憶がほとんどない。
日々どうやって過ごしていたのか。
ほとんど覚えていないのだ。
でもあのとき、あいちゃんとずっと、何度も話し合った。
生きること、死ぬこと、生きること、死ぬこと。
私もあいちゃんも、自責の念で死にそうだった。
堂々巡りの、答えのない問いかけをずっとした。
ほかのことを話していても、会話はいつもそのことに行きついた。
どうして、なんで、どうしたら、これからどうしたら!
なんで、なんで、なんで。
なんで、なんで、なんで!
・・あいちゃんがいてくれて良かった。
本当に、良かった。
あいちゃんは生きていて、私も生きている。
そして今、たぶん、あいちゃんも私と同じことを考えている。
そんな彼女がいること、自分がいること、
今を生きていること。
私は私をしっかり生きるしかない。
今、この瞬間も。
そういうことなのだ、きっと。
・・お風呂に入って寝よう。
もうすぐまた、朝。
かけがえのない
今この瞬間
前へ
ベトナムにいる友人のあいちゃんと連絡を取った。
元・同僚で、かつ同期。
偶然にも、大学の学部も学科も一緒だった子だ。
今日は少し重い話になった。
でもとても意味のあるやりとりで、
私は彼女と出会えて本当に良かったと思った。
・・
今朝、訃報が入った。
携帯を開き、飛び込んできた文字に愕然とした。
大学時代の級友が亡くなったのだ。
おととしの夏からガンを患い闘病していたらしい。
全然知らなかった。
正直、在学中もそれほど親しい間柄ではなかったし、
卒業してからは一度も連絡をとることはなかった。
私だけでなく、同じ学科のほとんどの子がそうだったんじゃないかな。
大抵、一人で行動していたように思う。
彼女は態度が毅然としていて、力強かった。
授業中でも、何か不明な点があれば堂々と質問していたし、
パパパッと要点を押さえてどんどん進んでいく。
そんな風だった。
たしかあれは家族社会学の授業のときやったと思う。
「自分は一生、結婚しないという人はいますか?」という
先生の問いかけに、彼女はまっすぐ手を上げた。
何の躊躇もなく。
それは意志ある明確な挙手で、なんだかすごいな、と思った。
彼女とがっつり親しくしていた子はそれほどいないとしても、
彼女を覚えていないという子もいないと思う。
それだけ独特の、なんというか、自分だけのオーラを持った人だった。
時々、席が隣になったときには少し話をした。
家がガソリンスタンドを営んでいること、高校は女子高だったこと、
馬が好きで乗馬をしている・・・お兄ちゃんがいるって言ってたかな。
記憶の中の彼女。
彼女にまつわる断片的な情報をかき集めてみて気づく。
私は彼女のことをあまりにも知らない。
ただ、はっきりと覚えていることがある。
大学に入って初めて話をしたのが彼女だったということだ。
そして何度か学食を一緒に食べた。
一緒に学内を歩いた。
生科棟を出て、工学部棟の前を通り、
学情センター脇の突風に吹かれながら二号館の傍の食堂へ。
ボロボロの食堂。
何を話したかは覚えていない。
元気でいるだろうと勝手に思っていた。
元気でいることが当たり前みたいに、そう思っていた。
・・
訃報を知ったとき、以前、叔父が亡くなったときに
お坊さんが言っていた言葉を思い出した。
「故人のことを思い出すだけでも供養になります。
何度も何度も思い出してみてください」。
それから
送られてきた訃報のメールを、連絡先を知る友人たちに転送した。
もう知ってるかもしれないけど、と前置きをして。
・・あいちゃんから返信が来た。
あいちゃんがまだ私の勤めている職場にいたとき、
数少ない同期の同僚が突然、この世を去った。
私はあの頃の記憶がほとんどない。
日々どうやって過ごしていたのか。
ほとんど覚えていないのだ。
でもあのとき、あいちゃんとずっと、何度も話し合った。
生きること、死ぬこと、生きること、死ぬこと。
私もあいちゃんも、自責の念で死にそうだった。
堂々巡りの、答えのない問いかけをずっとした。
ほかのことを話していても、会話はいつもそのことに行きついた。
どうして、なんで、どうしたら、これからどうしたら!
なんで、なんで、なんで。
なんで、なんで、なんで!
・・あいちゃんがいてくれて良かった。
本当に、良かった。
あいちゃんは生きていて、私も生きている。
そして今、たぶん、あいちゃんも私と同じことを考えている。
そんな彼女がいること、自分がいること、
今を生きていること。
私は私をしっかり生きるしかない。
今、この瞬間も。
そういうことなのだ、きっと。
・・お風呂に入って寝よう。
もうすぐまた、朝。
かけがえのない
今この瞬間
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