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手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

リンダリンダ

最近、結婚についての話が出ることが多くて、それで少し考えたりしていた。
うちの両親は二人とも曰く、「ノリで結婚した」らしい。
交際期間も短く、なんかよくわからんかったけど、まぁいっかって。
だからそんなもんだと言う。
あかん場合もあるしな、ってすごいあっさりしている。
母は「もう無理やって思ったら出戻ったらいいからとりあえず一回はしたら?」などと言う。

父は口だけ亭主関白なのでその部分で合わせないといけないところもあるけど、
でも、それでも母は世の中の同世代の女性よりはるかに自由に生きていると思う。
掃除も洗濯も基本的に苦手で、裁縫はかなりのレベルだ(・・苦手という方向で)。
しょっちゅう遊びに出かけてるし(まぁ働いてもいるけど)、いろんな物をすぐ失くすし、
忘れ物も多い。
でも、父は母を愛している。
たぶん、母は父が死んでも変わらないけど、父は母が死んだら確実に衰弱する。
母はおもしろいのだ。
脳内が信じられないくらい自由空間になっていて父はそんな母じゃないとたしかに
無理だと思う。
父も自由やから。
二人とも自分勝手で、自由。
ケンカや言い争いで険悪な空気になっても、
母は翌日には記憶喪失かというくらい綺麗さっぱりそのことを忘れてしまっている。
これはある意味、掃除や洗濯や裁縫よりすごい能力やと思う。

基本的に対照的な両親ながら、共通しているところがある。
二人とも自由なのに、お節介なのだ。
二人の会話が一番盛り上がるときというのがあって、
それは、”今、何かで困っている人”について話しているときだ。
「あの人、今大変らしい。(かくかくしかじかで・・・)」と始まり、
二人で真剣にどうしたらその人が良くなるかを検討し始める。
アドバイスの内容を二人で考え、伝えるタイミングまで決める。
今すぐか、もう少し様子を見るのか。
時には私も巻き込まれる。
福祉の制度で何かできないのか、とか。
近所に住む知り合いの子どもが不登校になったときには私が出動して、
その子と会って話をして、家庭教師をつけたりとかした。
私が医療を志したり、妹が看護師になった背景には両親のこういう部分が
もしかしたら影響しているのかもしれない。

今、私の実家の一階には知的障害のある兄妹とその老父が住んでいる。
(実家は二世帯住宅のような構造になっていて、一階を間貸ししているのだ)
この兄妹が作業所などにも通わず、常に家に引きこもっていることを心配した父が声をかけ、
たまに3人で家の外階段の掃除や外壁の掃除を一緒にしている。
バイトという形で、賃金も時給で払っているらしい。
父曰く、働くということを学ぶきっかけになればいいと思ってのことらしい。
この兄妹とうちの両親の付き合い方が見ていてすごくいいなと思う。
よく太った妹さんに対して、父が、「もうちょっと体を動かさないと痩せへんよ」などと言い
妹さんがダハハ!と笑うと、すかさず母が「何もおもろいこと言うてへん」などと言う。笑
なんかすごくナチュラルで、適当で、何かしてあげてるみたいなふうが全然ない。
知的障害があるから仕方がないとかじゃなく、やってみることが大事なんだと。
私は父のこういう感性をとてもいいなと思っている。

以前、家の前がまだ空き地やったとき、こんなこともあったらしい。
学校帰りの男の子2人が空き地で遊んでいて、一人の子が泣きだした。
それを偶然見ていた父がどうしたんだと声を掛けると、
泣いてない子が泣いている子を指さし、「100円玉を落として泣いてるねん」と言った。
すると、泣いてた男の子が「違う!こいつが100円玉盗ったんや!」と主張したらしい。
そのとき、盗んだと言われた子の表情がさっと動揺したのを見て、
父は、この子が盗んだのではないかと感じたらしい。
でも父は、男の子らに「落としたのかもしれないのなら探してみよう」と提案、
3人で空き地の砂利を掻き分けて100円玉を探すことにした。
そうしているうちに泣いていた子は泣きやみ、逆に、泣いていなかった子の表情はみるみる青ざめて
いったらしい。
それを見て父は、その子が100円玉を盗ったことをさらに確信したらしいのやけども
でも、砂利を掻き分けて探す手は止めなかった。
当然、100円玉はいつまで経っても見つかるわけがなく、そのまま30分くらいが経ち、
三人とも汗と泥でドロドロになってきた。
いつまでも見つからない(見つかるはずのない)100円玉に、結局、100円玉を失くした男の子は
再び泣きだし、盗ったと思われる男の子も自分の招いた事態の深刻さに半泣きになり、
そこで一旦父は手を止めた。
そして、「今日のところは仕方がない」と言い、自分のポケットから100円玉を取り出し、
泣いている男の子の手に握らせた。
今日だけだぞ、と言って。
男の子は歓喜し、もう一人の子は明らかに安堵の表情を浮かべ、帰っていったらしい。

・・この話ね、私は母から聞いたんやけど、
たまたま母が帰ってきたときに、父が空き地に子どもと立ってて、
それで不思議に思って聞きだした話らしい。
父はなんてことない風にこのことを話したらしいけど、母は驚き、聞いた私も驚いた。
でもこのエピソードはとても父らしい。
なんか、そんな人なのだ。

・・

長くなってしまった。
今日はこれから前の前の職場の先輩である真由美さん宅にお邪魔する。
真由美さんと功治さんに二人目の赤ちゃんが生まれたのだ。
私にとって、結婚している理想的な夫婦といって真っ先に思い浮かぶのはこのお二人かもしれない。
なんかとても素敵なのだ。
楽しみやな。
(でもそういや、真由美さんと功治さんもノリで結婚したって言ってた気がするな。笑)




この曲、最近ふいにFMから流れて聴いたんやけど、
改めて聴いて歌詞がすごいなぁと思って。
「愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない
決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ」
いいなぁ!

ブルーハーツ/リンダリンダ
http://www.youtube.com/watch?v=Yv3MqSX2oJw





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