手をつなぐ
日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。
悲しみは殻のなか。
- 2013/10/31 (Thu)
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死への恐怖は生きる喜びと紙一重なんやなぁ。
なんてことを思いながら寝ます。
・・
新美南吉「でんでんむしの悲しみ」
一匹のでんでんむしがありました。
ある日、そのでんでんむしは、たいへんなことに気がつきました。
「わたしは今まで、うっかりしていたけれど、わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱいつまっているではないか。」
この悲しみは、どうしたらよいでしょう。
でんでんむしは、お友だちのでんでんむしのところにやっていきました。
「わたしはもう、生きていられません。」
と、そのでんでんむしは、お友だちに言いました。
「なんですか。」
と、お友だちのでんでんむしは聞きました。
「わたしは、なんという、不幸せな者でしょう。わたしの背中の殻の中には、悲しみが、いっぱい詰まっているのです。」
と、初めのでんでんむしが、話しました。
すると、お友だちのでんでんむしは言いました。
「あなたばかりではありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」
それじゃしかたないと思って、初めのでんでんむしは、別のお友だちのところへ行きました。
すると、そのお友だちも言いました。
「あなたばかりじゃありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」
そこで、初めのでんでんむしは、また別の、お友だちのところへ行きました。
こうして、お友だちを順々に訪ねて行きましたが、どの友だちも、同じことをいうのでありました。
とうとう、初めのでんでんむしは、気がつきました。
「悲しみは、だれでも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの悲しみを、こらえて行かなきゃならない。」
そして、このでんでんむしは、もう、嘆くのをやめたのであります。
なんてことを思いながら寝ます。
・・
新美南吉「でんでんむしの悲しみ」
一匹のでんでんむしがありました。
ある日、そのでんでんむしは、たいへんなことに気がつきました。
「わたしは今まで、うっかりしていたけれど、わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱいつまっているではないか。」
この悲しみは、どうしたらよいでしょう。
でんでんむしは、お友だちのでんでんむしのところにやっていきました。
「わたしはもう、生きていられません。」
と、そのでんでんむしは、お友だちに言いました。
「なんですか。」
と、お友だちのでんでんむしは聞きました。
「わたしは、なんという、不幸せな者でしょう。わたしの背中の殻の中には、悲しみが、いっぱい詰まっているのです。」
と、初めのでんでんむしが、話しました。
すると、お友だちのでんでんむしは言いました。
「あなたばかりではありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」
それじゃしかたないと思って、初めのでんでんむしは、別のお友だちのところへ行きました。
すると、そのお友だちも言いました。
「あなたばかりじゃありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」
そこで、初めのでんでんむしは、また別の、お友だちのところへ行きました。
こうして、お友だちを順々に訪ねて行きましたが、どの友だちも、同じことをいうのでありました。
とうとう、初めのでんでんむしは、気がつきました。
「悲しみは、だれでも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの悲しみを、こらえて行かなきゃならない。」
そして、このでんでんむしは、もう、嘆くのをやめたのであります。
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