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手をつなぐ

日々のこと、好きなもののことなどツラツラ書きます。

追悼

最近楽しんで読んでる漫画があって。
もともと漫画を描く人じゃないのだけど。
おもしろい。笑
人に向けた眼差しやその時代の空気感が好き。
(豚の話、笑った)



先日叔父が亡くなった。
末期の大腸癌だった。
最期の数ヶ月は壮絶な痛みとの闘いだったらしい。
それでも、今日はこれを食べてみよう、いや、あれならいけるかもと常に前向きだったと聞いた。
亡くなる数日前まで、近場に旅行する予定を立てていたらしい。
一方で、葬儀に出席して欲しい人の一覧と連絡先を書き留めてもいたと。
それも楽しそうに、あの人には絶対来てもらいたいな、あの人にも…と。
そんなふうだったと聞いた。

とても楽観的で前向きな人だった。
そして叔父は父の友人でもあって。
学生時代の同級生で、よく父の部屋に遊びに来ていたらしい。
そのとき父の妹である叔母と出会い、二人は恋に落ちて結婚した。

うちの父は他の追随を許さないほどの偏屈だったので(苦笑)、あまり友人がいなかった。
父は人に隙を見せない人だったから。
娘の私はこんなに隙だらけで生きていると言うのに。

その変な父と普通に楽しく過ごせるのが叔父だった。
たまに口論になってもすぐに忘れてくれて、次に会うときにはまたとても親しい空気で父に接してくれていた。
作為的にそうしてるという感じではなくて、叔父もまた突き抜けて楽観的な人だったのだと思う。
二人は相性が良かったのかなと。

父が先に病気になったのに、叔父の方が先に逝ってしまった。
まだ祖父が存命だった頃、父と叔父は大晦日になると祖父の家に集まり夜通し花札をしていた。
小額のお金も賭けて。
一枚めくるたびに、「猪鹿蝶ー!」とか「いちにっさん、来い!」とか言って騒いで、馬鹿みたいにずっとやっていた。
負けた方はまだまだこれからこれからー!と猛烈な勢いで札を切り出す。
どっちも負けず嫌いで終わらない。
翌朝、勝った方は相手がいかに弱かったかをあからさまにみんなに誇示して、負けた方はうるさい!負けてやったんだとまたけなす。
毎年そんなやりとりをしていたな、と。

父は葬儀には参列できなかった。
でももうすぐきっと会えるからいいのかな。
先の世界で父を待ってくれる人がいるのはなんだか心強い気もするし。
叔父がいてくれて本当に良かった。
あの父の娘としては感謝しかない。

どうか安らかに。
祈りを込めて。

天国にも花札があったならいいな。





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